鍼灸の良さ

今日は鍼灸の良さについて実感したことをについて書きたいと思います。

先日、往診宅での出来事でした。膝が痛いとい言い患部の治療と全身治療を目的に治療しています。その患者様は、８０代後半で膝の軟骨の擦り具合は年齢相応と思います。杖をついて歩き、膝関節への負担を減らしています。良く体を観察してみると足首が硬く膝に負担をかけているのがわかり、治療時には足首、膝関節と腰と体重がかかることで負担になり痛みを発する関節を中心に治療しています。往診を初めて１年半くらいの付き合い、週一回ですが現状維持を目標とし生活の中のお手伝いをさせていただいています。

あるとき、布団業者の営業に会ったみたいで

“遠赤外線の入っている”“軽くて暖かい”“半永久使用”

が売りの、布団を買ってしまい２０万以上支払ったお話をしてくれました。それに今だったら、足首・膝のサポーター付きと言うことで飛びついたそうです。

先生の立場で聞いている自分にとって、『２０万出せるのだったら、週１回の治療を週２回に変えられるよ！！』と思いつつ、『それは良い買い物したね！』と思ってもいないことを言い、半笑いで会話していました。

【２０万の布団買って、もう来なくていいよ。あと治療回数を減らね！】そう言われたらどうしようとドキドキしながらも週１回の治療は続いていきます。けど、途中から気が付きました。それは経過が同じということに。

布団と言う新たなアイテムを身に着けても、体が痛くなる時はあるし、痛みも鍼灸をして４～５日間は調子が良いという経過でした。相手側と私の都合がつかず治療間隔が空いたときには、痛みは増悪し眠れない時がありました。いつも通り治療終了時には次回予約が入ります。

今回の事を通して実感したのは、いくら良いものを身につけても人の手には適わないことです。これが出来たら自分の立場が狭くなりますが笑。

人工物には手のぬくもりはありません。最適なコミニケーションもとれませんし、状況に応じたサービスの変更も出来なくて、画一的なサービスになってします。

特に鍼灸治療に関していえば、ツボを刺激することで局所治療はもとより全身治療にも繋がっていきます。自律神経にもアプローチでき、その良さの活かし方はたくさんあります。治療を通じ、多くの事を学んだ瞬間でした。